不動産投資お役立ちコラム

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Vol.47  表面利回りと実質利回り

2021.04.08 | by select

 

 

不動産物件情報には、必ずと言っていいほど利回りの数字が示されています。

その利回りの数字を見ることで、一年間における家賃収入や、

投資した資金をどれぐらいの期間で回収できるかを判断することができるのです。

しかし、その利回りの数字には、実際は表面利回りと実質利回りという二つの数字があります。

 

ここではその二つの利回りの違いと、

不動産物件を選ぶときにはどちらの利回りの数字を重視した方が良いのかをお伝えします。

 

 

表面利回りとは

 

 

表面利回りとは、不動産物件の情報に一般的に掲載される利回りを指します。

1,000万円で売りに出ている物件に、利回りは12%と表示されていれば、

年間で1,000万×12%=120万1年間で120万円の家賃収入を得ることが可能です。

この表面利回りの数字は、1年間物件を満室で運営できた時に、

最大でどれくらいの収入を得られるかを示しています。

 

先の例を見ると、毎月の家賃が10万円なので、12ヶ月で120万円の家賃収入を得ることができるのです。

表面利回りが物件情報によく使われる理由は、計算がしやすいからです。

 

現在設定されている家賃で年間最大でどれくらい収入を

得ることができるのかの目安を簡単に計算できます。

そのため、多数の不動産物件情報には表面利回りが、利回りの数字として掲載されます。

 

 

 

実質利回りとは

 

 

 

 

では、実質利回りとはどういった意味を持つのでしょうか。


“実質”という名前の通り、毎年の家賃収入から様々な経費を差し引いて

実質的に自分の手元に残る金額から算出する利回りのことを言います。


不動産物件の運営には、様々な経費が発生します。

例えば税金だけを見てみても

・固定資産税

・不動産取得税

・登録免許税

・印紙税

等の税金がかかってきます。

 

そして不動産物件の運営にかかる経費としては

・不動産会社に支払う管理費用

・物件の修繕などに使用した費用

・入居付けのために支払った広告費用

・火災保険加入費用

・購入時の仲介手数料

など様々な費用がかかってきます。

それらの金額は決して無視できるほど小さいものではありません。

税金と様々な経費を合わせると、一般的には家賃収入の20%前後かかるのが普通だと言われています。

収入が増えれば、さらに税率は上がりますから、

維持費と税金で家賃収入の30%、40%になることもあるでしょう。

 

年間で得られた家賃収入から、これらの経費を差し引いた金額が実質利回りなのです。

更に表面利回りで120万円の家賃収入があったとしても、

賃貸物件は必ずしも満室経営できるわけではありません。

一度空室が発生してしまえば家賃収入が途絶えるだけではなく、

修繕費がかかったり、入居促進のために広告費を支払います。

物件価格1,000万円、家賃10万円で20%の経費が出た場合は、

年間の家賃収入が120-(120×20%)=96万円です。

そこから税金などを差し引いて80万円残った場合は、実質利回りは8%になります。

実質利回りが使う不動産物件の情報として使われない理由は、

経費や税金がケースバイケースだからです。

 

また、家賃収入も運営次第で変わってきます。

その物件がどれほどの家賃を安定して稼げるかは運用してみないと分かりません。

経費はある程度の予測が経ちますが、

自然災害等で大きく家賃収入が大きく下がったりするケースもあります。

そのため確実な数字の計算ができないため、

実質利回りは不動産物件情報として使われることがないのです。

 

 

不動産投資において重視するべき実質利回り

 

 

では不動産物件情報においてチェックするべきは、どちらの利回りでしょうか。

これは実質利回りを重視するべきです。

 

表面利回りは、あくまで満室経営を前提として運営コストなど経費も見込まないため、

表面利回りでの計算で収益を期待していると予想した結果が得られないことがあります。

不動産投資を検討する際は運営コストなど経費も見込んだ利回りである実質利回りを重視しましょう。

 

また例えばですが中古物件が売りに出ている場合、

前のオーナーはなぜその物件を売ろうと思ったのでしょうか。

安定した利益が出ていれば、売りに出す必要もないはずです。

物件を売りに出すからには、家賃収入がなかなか得られない、

多額の費用をかけて修繕しなければいけないなどの事情が背景にはあるのです。

中古物件というのは一般的に利回りも高く物件価格も安価ですが、修繕費などの購入経費、

入居者促進費用などが多くかかることが多いです。

 

物件購入の際には経費はできるだけシビアに見積もり、

家賃収入は最悪の事態を想定しなくてはいけません。

それでもきちんと利益が出るのかを、判断して物件購入を決めましょう。

 

 

まとめ

 

 

新築物件は当初の運営コストがあまりかからないないため、

実質利回りと表面利回りの数字に差がないこともあります。

ただし、中古物件は、物件の運用状況によって状態の良し悪しが大きく分かれます。

できるだけ、維持費を抑えてキャッシュフローを手元に残すためには、

物件の状態をよくチェックして、運営コストがかかりづらい、

つまり実質利回りと表面利回りの数字の差が小さい物件を見極める必要があるでしょう。

 

価格が安く、表面利回りの数字が良い物件があっても、

購入直後に多額の修繕費用が必要となってくるケースもあるのです。

そういった物件を購入しないように、

不動産物件の状態のチェックまた入居状況のチェックは細かく行うようにしましょう。 

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